離島60めぐり---第22訪島(4)
礼文島(れぶんとう)
●北海道
仕上げにフェリー乗り場前の食堂『ひまわり』の「タコカレー」だ。
まだ8時過ぎなのにもう閉まっている。
ガラス戸をドンドンやると「もう閉店です」と奥から声。
ここで引き下がってはせっかく大阪から同行した45年来の付き合いの高校時代の後輩たちに顔がたたない。
「大阪からタコカレーを食べに来ましてん、何とかたのんますワ!」と大阪弁でせまった。
すると、しばらくしてガラガラッと戸があいてOK。
待つこと10分。お目当ての「タコカレー」が登場!
やわらかいタコとカレーのスパイスがほどよくミックスされていて甘さと辛さの見事なハーモニー。
6人が口を揃えて「こりゃうまいワ!」太めのタコを30分は煮込むそうで、やわらかさと甘みが出るわけだ。
お目当ての「タコカレー」
東京から嫁さんになって礼文にやって来た食堂の奥さん本吉京子さんは「9年たって、やっと島に慣れました」という。
その笑顔に“礼文の厳しい冬”が漂う。
いつか「タコカレー」が礼文の名物になることを祈りつつ…ごちそうさん。
『咲き競う 短い夏の 主役たち』
日本西北限スコトン岬の筆者