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日本の島再発見 沖永良部島_奄美群島 10月18日(木) (P032,033)

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日本の島再発見 離島60めぐり---第9訪島(3)

 沖永良部島(おきのえらぶじま)

●奄美群島
_鹿児島県  この島の目玉は全長3500メートル、東洋一の大鍾乳洞『昇竜洞』(県指定天然記念物)そこまでレンタカー屋のおやじが案内してくれた。


その昇竜洞をたった一人で見学。
スケールのでっかさに驚いた。
シーンとした大洞窟で私一人。

地下水が珊瑚石灰岩を溶解し、一滴一滴の雫が年月をかけてつくり出した大自然の彫刻。
神秘的であり魅力的でもあるが、つくづく鍾乳洞は一人旅には向かないと思った。

日本の島再発見_鹿児島県_奄美群島_沖永良部島_昇竜洞
昇竜洞

島の名所を見て回っているうちに雨になった。
それで仕方なくホテルに戻った。


夜、くだんのレンタカー屋のおやじが軽四でやってきて「俺の家にこい」という。
せっかくのご招待だから、兼屋さんの事務所と六畳一間の居間を訪ねた。

事務所のカベには売上目標とか、新規開拓、グラフ等やる気充分。
私の会社経営の頃を思い出した。


ハンガーに革ジャンと上着。
テレビの横にせんべいブトンが4~5枚。

やがて彼は1本のビデオをかけた。
昨年、たまたまTVのドキュメンタリー番組に取材されたのだという。

過去の思い出話。
聞き役はタレントのヨネスケである。


27年前に喧嘩がもとで島の高校を中退。
大阪―名古屋―東京と渡り歩き商売の成功―倒産を繰り返し借金地獄。
自殺も考えて故郷に戻り、若者が飲んでいるカンコーヒーに着眼し、沖縄諸島から奄美群島に売りさばきまた成功。
自動販売機に手を出してまた失敗で1億円の借金をかかえ、裸一貫で沖永良部島にもどり、コツコツ働いてやっと「先が見えてきた」そうだ。